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用語集

-世界を織りなす細かなキーワード-

あ~       

◆軋轢 (あつれき)

 イズリートインゼルにおいて、神託が世界に対して行う「辻褄合わせ」のような特殊な情報処理の際に稀に発生してしまうとされる不自然な構造物。およびそれらを発生させる現象。

 世界を体としたとき、軋轢はガンや腫瘍にあたる。​​

 非常に不安定であり、不具合存在と同じく一般人にはほとんど認識できない。

◆イグダクト/IGDUCT

 Information-Guided Distorted product of Unnatural Constructive Things

 不自然な構成的事物の情報に誘導され歪んだ産物

 情報改変生成物とも言われる物体。

 調整者の情報介入によって変容した物質やPCSAによって発生したものを指す。

 非効率・非正規の情報物質のため、基本的に特例存在以外には感知・理解できないとされるが、方法次第では一般人格存在 にも感知できるように生成することも可能。

◆イズリートインゼル/Izreet Inzel

 bbにおけるインキュベータ内在世界で最も大きく栄えている都市。

 21世紀ごろの文明社会に酷似した生活様式や文化形態になっている。

 調整者の中には再現都市と呼ぶ者もいるが、俗称的なもので、広く浸透している名称ではない。

◆不具合存在 (イレギュラー) / the Irregular

 「軋轢」から発生した不完全情報活動体。

 本来ならば存在し得ない存在であり、調整者のような特殊な認識レベルを保持している存在以外からは非常に見えにくい。

 個体によって大きさは様々で、手のひらほどの小型なものからビルよりも大きいものまで存在する。同様に、身を潜めている個体もいれば、堂々と街中を歩いている個体もいる。

 例えば「何もないところでつまずく」などは、多くの場合小型の不具合存在に接触したことによるものが多いが、一般人では認識しづらいため「何もないところでつまずいた」と解釈する。

 調整者の存在意義は発生した不具合存在、及び軋轢の除去。自身にインストールされた「血統」の力をもって直接的に不具合に干渉しそれらを破壊、無力化したところで、情報構成を素子のレベルまで分解し吸収する。吸収された情報素子は貯蔵され、調整者のPCSAの具現などに使われる。

 

◆インキュベータ/the Incubator

 人類の生き残りたちの延命、およびコアパーツとされた人間がつくる「夢の世界」をより強固で辻褄の合うものにするための装置。

 この装置が構築する仮想現実は一般的に「電脳」や「電脳世界」と呼ばれる。

 本来夢の世界は支離滅裂であるが、機械的な処理などを加えることで、ある程度ルールを世界の中につくり、固定化させている。

 コアパーツはインキュベータを構成する部品の一部であり、肉塊のような部品の内部に埋まっている。首や背中には肉塊やパイプが接続され、肉体延命用の様々な栄養や要素を供給されている。コールドスリープと定期的なメディカルチェックによって、コアパーツは相当な寿命拡張が施されているが、耐用年数が近づくにつれて不具合が増える。

 夢の世界が洗練され、高水準になった際は個体ごとに自我をもつ精神体が発生し始める。それら人格体を機械側の補正によって個体自我精神体として生成し、電脳内にシミュレートされた仮想現実で生活させ、精錬している。

 複数存在し、夢の世界がベースであるため機体によって世界観が異なる。

 『神託』と呼ばれる管理AI群が全体的な処理や演算を担っている。

◆神託 (オラクル) /ORACLE

 Overseer for Reconstruction and Administration of Civilized Life Entities

 文明化された生命体の再建と管理の監督者

 絶滅した人類を復活させるために仮想現実シミュレーションを用い、生命体の再建を監督する最上位管理者。電脳内の演算や処理を担っている。

 文明の記憶と倫理を基に、人類の復興を可能にするシナリオの実現を目的としている。

 それぞれ別のインキュベータに干渉することはなく、また内部存在に干渉することは多くないが、内部干渉する際は対象が最も信頼するであろう形や声になって接触する。

 

◆一般人格存在 (オルドナ)

 調整者の多くが用いる俗称。一般人。

 イズリートインゼルにおいて、「調整者 」や「不具合存在」のような「特例」な存在以外の「一般的な存在」を指す言葉。

 

か~       

◆カーネルパニック

 調整者や不具合存在、上位不具合存在などの特例な存在が持つ情報回路が焼き切れることなどによっておこる一部あるいは全体的な「機能停止」を指す。

 処理しきれなかった情報や命令が対象の処理領域や情報回路に多量に流入し、個人の保有する処理領域や回路を圧迫した結果、それらがショートすることによって発生しうる。

 周囲空間内にあるすべての干渉命令実行は中断され、一定時間調整者はPCSAなどの特殊な技能を使うことができなくなる。

 

 人為的にも発生させることが可能であり、戦術的に用いられることも多い。

 「リベット」や「クラッカー」などはそれらを起こす道具として重宝されている。

 カーネルパニック中は復旧するまでお互いにPCSAを展開出来ない為、逆に言えば相手を同じ土俵に引きずり落とすことが出来る。それ故、格上のPCSAを持つ調整者と対峙した際に用いられることが多い。​

◆外部存在 (がいぶそんざい)

 インキュベータ電脳空間内における存在の有無にかかわらず、インキュベータの外部に自身の存在を持つ者を指す。

 「現実世界でインキュベータと接続されている人間」や「神託」もこれに含まれる。

◆カラディニウム合金/Caladinium Alloy

 通常の金属合金をイグダクトとして再構成することで生み出された、情報素子伝導性が非常に高い特殊金属。

 主に「リベット」の作成に用いられる。

◆"業者" (ぎょうしゃ) /cleaner

 イズリートインゼルにおける死体処理業者組織。

 発足当時から組織名が明確ではなかったため、「業者」と呼ばれるようになった。

 

 何らかの要因によって一時的に死んでいる調整者を、独自の手法によって拘束しておく「収容所」足りえる施設を貸し出している。

「死に続けさせる」ことによって蘇生させず、施設が動く限り半永久的な拘束が可能であるとされているが、詳細は不明。

 イズリートインゼルにおける派閥や政治的立場を問わず依頼は公平に請け負っている。自警団は捕らえたアウトローの収容に業者の施設を一部利用し、無法者も理由は様々だが自警団側と同様に一部施設を利用している。

◆クラッカー /cracker

 特殊な情報素子の塊。スタングレネードのように強烈な閃光を伴って爆発する。

 様々な形体のものが流通しており、鉱石のようなものから、試験管のような筒に入っているものなど、様々な形が存在する。

 周囲の特例存在にカーネルパニックを引き起こさせる強力なものでありながら、オルドナも往来するブラックマーケットでも販売されている。調整者同士の争いに使われるだけでなく、オルドナが使う分には副作用がないため、調整者への対抗手段としても扱われている。

 元々はアルカイド=ラックシールのPCSAの解析から生まれたものだという噂があるが、詳細を知る者は少ない。

◆現実世界 (げんじつせかい)

 インキュベータの織り成す仮想世界に対して、その外部の世界を指す。

 現実世界は機械と人類による大戦によって荒廃し、敗北した人類は滅亡を余儀なくされつつある、とされている。

 「現実」とだけ呼ぶときは主観的な現実、つまり夢に対する現実の意味合いで、イズリートインゼルを指して使われることが多い。

 そのため、明確に「外部世界」「外の世界」と分けて呼ばれることもある。

 

さ~       

◆サイバーコンフリクト/Cyber Conflict

 不死者であるはずの調整者が本来の意味で死ぬ現象。

 不死者である調整者が本来の意味で死ぬ(消滅する)ことは珍しく、特に「第4次大規模CC(サイバーコンフリクト)」は非常に大規模なものだったため、多くの調整者に周知されている。

◆情報素子 (じょうほうそし)

 電脳内で存在や事象を形作る最小構成単位となる、粒子状のエネルギー体。

 調整者だけでなく、一般的な内部存在や不具合存在もこれによって構成されている。

 調整者は内在領域に素子を圧縮して格納しており、主にそれを展開することでイグダクトの生成や戦闘体の形成を行う。

◆情報密度 

 情報圧力とも呼ばれ、一定の範囲内に存在する情報素子量を示す。

 異常性が大きくなればなるほど無駄な情報量が増え、密度や圧力は高まる。不具合存在が発生するような場合ではこれが大きく、大きくなるほど不確定要素は増える。

 『水圧』や『水に含まれる泥の量』などと表現されることがあり、動きにくさの指数にも使われる。

◆戦闘体 

 調整者が戦闘時に用いる、頑丈かつ身体能力の向上した状態。

 金属を紙のようにひしゃげさせるほどの圧倒的な膂力と、高層ビルから飛び降りても損傷しない頑強さを誇り、不具合存在と戦う調整者のもっとも基本的な武器となっている。

 調整者には、「肉体情報の情報密度が低く復元コストが少なく済む為、回復力が高い」『通常体』と、「肉体の情報密度を高め、衝撃に対するある程度の耐久性とそれに伴った運動能力の飛躍的向上を見込めるが、復元に時間がかかる」『戦闘体』の二つの形態がある。

 各形態に応じた外見の変化はないが、戦闘体のほうが貴族の血統が浮かびやすい。

た~       

◆基本命令 (デフォルトコマンド)

 調整者が共通して持っている能力。

 ・触れている者の内在領域に侵入する

 ・情報素子を何かに流し込む

 ・情報素子を固めて塊にする

 などが主になる。

 不安定な情報素子塊を爆弾のように投げて武器としたり、情報素子を流し込んで一時的に硬化させ武器としたりする。

​ 情報素子塊を握りつぶして波動を起こし、周囲の特例存在を探知する行動は「フロイントシャフト」と呼ばれている。

◆特例存在 (とくれいそんざい)

 イズリートインゼルにおける異常存在全般。

 調整者、不具合存在、上位不具合存在……それらはオルドナと比べると異常な存在ではあるが、既に広く浸透しどのようなものか知れ渡っている。

 そのため、本当に異常なものが発生した際に区別するため特例存在と呼ばれるようになった。

な~       

◆内在領域

 人間の個体精神領域の中に存在する心象世界。

 内在領域は各人独自の風景となっており、独自のルールに則ってつくられていることもある。内在領域はその内外で時間の流れが異なる場合が多い。

 内在領域のなかで死ぬと、その外でも脳組織が破壊されて意識を失う。

 侵入することは難しくないが、引きずり込むことは困難。

 

◆内部存在

 インキュベータの構築した世界の中に存在している人格体。

は~       

◆PCSA

 Personal Characteristics and Specific Abilities

 個人の特性および特有の能力

 貴族の血統をインストールされた調整者は、共通で使える力とは別に、副作用的に固有の能力を発現させ、たいてい他人とは異なる能力を得る。

 

◆PCSA依存度

 その調整者が戦闘を行う際「どれだけ自身のPCSAに頼っているか」を示す。

​ 高ければ高いほど、自分のPCSAを軸にした戦術が多く、それが使えなくなった場合に低下する戦闘能力が大きくなる可能性が高いと言える。

◆自警団 (ビジル)

 イズリートインゼルにおける警察的組織。

 不具合存在を駆逐し、都市の秩序を守ることを目的としている。

 資金力があるようで、自警団員にはある程度の給与が支払われている。

 様々な研究を行っており、スタッフの中にはオルドナもいる。

​ ある程度オルドナ側の警察組織と連携を行い、事象に対処している。

◆貴族の血統 (ブルーブラッド) / blueblood

 神託によってインストールされるある種の改変プログラム。

 適用された個人は調整者と呼称され、超人的な身体能力や復元力、及び世界に対する事象の介入を行うことができるようになる。

 神託が行う貴族の血統の適用条件は不明。

 

ま~       

◆マルチタスク

 複数のPCSAを持つ調整者を指す。

や~       

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ら~       

◆上位不具合存在 (リコレクティブ・マインド) / Recollective Mind

 調整者のような特例存在が過剰な汚染ないし無力化していない不具合情報の多量吸収などの様々な要因によって存在情報が崩壊し、完全に崩壊した情報素子たちが新たなカタチを再構成して生まれた存在。

 不具合存在と同じく「存在し得ないもの」であるが、ベースとなった調整者の存在情報を持つため不具合存在より安定しており、比較的知性も高い。

 オルドナにも感知でき、PCSAも持っている。

◆リベット / RIVET

 Resonance Induced Volatile Energy Transmitter

 共振誘起揮発性エネルギー伝達体

 異常存在の体内に刺さると特殊な共鳴を引き起こし、対象の内部エネルギーを揮発的に放出させることで一時的に活動を抑える杭。

 この共鳴現象はカラディニウム合金によるもので、異常存在の特性に合わせた精密な調整が施されている。

 イメージとしては風船に刺さったストローのようなもの。

◆調整者 (レギュレイター) / the Regulator

 「貴族の血統」によって、異能と不死を獲得した者。

 生物の限界を超えた身体能力を持つ。中でも特出しているのは圧倒的な修復能力であり、おおよそ生物では修復不可能な損傷も修復できる。肉体の9割を失っても死ぬことはない。

 ただ特殊な情報構成体であったとしてもその生物的構造は引き継がれているため、脳にあたる部分を失うと肉体と精神の接続が乖離し、修復が完了するまで意識が失われてしまう。

 対調整者戦においては、部位欠損による行動阻害や、頭部の破壊による一時的な無力化が多くの戦法としてとられる。完全に殺しきることは困難だが、動きを封じ込めること自体は比較的困難ではない。

 頭部を破壊して意識を乖離させ、復元されるまでに身体を何らかの方法で拘束。復元の阻害になる異物(重要器官の復元を阻止すればよいので、ジャミングなり瓦礫なりを突き刺して置くだけでも効果はある)を頭部や身体に与えることで復元の阻害が可能。

 異物により頭部を再生出来なくなった調整者は意識を再び同期させることが半永久的に不可能になる。最悪の場合、その後に不具合存在に侵され消滅する場合もある。

​ 調整者の間では、これが調整者における「詰み」ないし「死」だと認識されている。

 

わ~       

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